星禽−28 Chinese ZOOdiac
ndividual WORK
2024 Summer
design
Illustration, Editorial design, Writing: Okamoto Reiko
Printed: innunic
古くメソポタミアから東の地域で用いられた、古い星座でありかつ天の領域を示す二十八宿。古代中国でも天文観測や暦に使用され、やがてその星々に動物シンボルを当てた占星術が行われるようになりました。
しかしながら、二十八宿とそれぞれの動物シンボルは、その形や伝説からシンボルが定まった西洋十二星座とは異なり、まったく関係なく唐突に当てられました。現在のところ由来や理由もわかっていません。
なぜ星に動物シンボルが当てられたのか?占星術を発端として、動物シンボルから人と動物の関係を考える新作のZINEです。
本ZINEは通常のZINE制作アプローチと異なり、恵文社一乗寺店さまでの原画展を前提とした展示に耐えうる絵作りから行いました。
それに伴い、以下のような目的から造本設計を行いました。
・原画の有効活用
通常、イラストはそれ単体を目的とせず、ZINEの素材として加工を前提に作成しますが、今回は展示用のイラストを先行して作成したため、ZINEも原画を活かし、写真での掲載としました。
・本全体で雄大な星空と時間の流れを表現する
表紙はアスカの銀にホワイトトナーで古い中国の星図を印刷し、夜空に見立てたデザインにしています。装丁は変形フランス装にし、見返しから見返しまでぶち抜きでデザインしました。図は全て載せないことで、空の大きさを表現しています。
本文前半の写真はモノクロ印刷に特色銀を加えて、古いモノクロの銀塩写真のようにイラストに深みを出すようにしました。用紙は、時間が経つことで徐々に風化し、古い本の様相になることを期待してモンテシオンを選びました。
本文後半のエッセイ部分は黒上質に特色銀で刷ることで、紙面を星空に見立て、文字が瞬いているようなイメージとしました。
・中国の古い書物に見立てたスリーブの窓
日本の書物もそうですが、中国の古い書物にも表紙に題簽が貼られていることが多く、歴史を感じさせる大きな要素となっていると考えました。
表紙自体に手を加えると上記のイメージが崩れると考えたため、スリーブを用意し、窓を開けて表紙を見せることで題簽代わりとしました。
穴を開けたことで銀色の表紙がチラ見えし、スリーブから出した時のインパクトが大きくなる効果を産んだと考えています。
【仕様】
版型:B5変形(257 x 138 mm)、112ページ
製本:特殊フランス装+スイス装+コデックス装
スリーブ:ブラックブラック+銀トナー
表紙:アスカの銀+ホワイトトナー
本文:モンテシオン+ K特色銀2色刷り/黒上質+特色銀1色刷り
計112ページ。窓付きスリーブ入り。