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​地獄動物考 Beasts in the Naraka

Personal WORK

2022 Winter

 

design

 

Illustration, Editorial design, Booking, Writing: Okamoto Reiko

Printed: Mitaka corner printing, Retro print, Hand Sow Press, HANDo 

地獄に棲む動物7種について書いたイラストエッセイ集。


国宝『地獄草紙』に描かれた「鶏地獄」を見たときに浮かんだ「なぜ地獄に鶏がいるのか?」という疑問から地獄について調べたところ、意外にも多くの動物が描かれていることを知りました。元々人と動物との関係性について興味があり、それらの動物が地獄に描かれた理由を調べることは古代から現代の人の動物観を知る手がかりになると思い、さまざま文献や自分の経験などを基にまとめた見解をエッセイとして動物ごとに7種の冊子にまとめました。

エッセイ集とした理由は以下の通り。

・共通のフォーマットのなかで、組版やレイアウトの多様性を出す練習として、文章量の多いZINEを作成したかったため。

・複数冊をまとめてシリーズとして見せる練習をしたかったため。

フォーマットは大元となる基本のフォーマットに加え、動物の分類によってサブのフォーマットを三種類準備し、その範囲のなかでレイアウトを変えることにより違いを出しました。

シリーズとしてまとめるためにスリーブを作成し、メインとなるロゴマークをシルクスクリーンを刷りシリーズとしてわかるようにしました。また、冊子と区別するために導入のためのフライヤーを作り、冊子の概要や基礎知識を掲載しました。

イラストについては、表紙はすべて拓本の技法を用いて作図してリソグラフにて印刷、挿絵はデジタル作画でリソグラフにてファンシーペーパーに印刷、本文へ貼り込みを行いました。

拓本の技法を用いた理由としては、新しいイラスト表現の模索として習作という点と、過去に描かれた地獄の動物の姿を現在に映し取るという意味があります。

イラストをすべて貼り込みとしたのは、こちらも現代における本の価値を考えたときに、ひとつの手法として有効なのではないかと思い応用したいと思ったためです。

イラスト集だけにとどまらず、読めるZINEとしてボリュームのあるものにまとめることができたと思います。また新しい表現や今までしたことのない組版に挑戦したことで、自分の中で刺激的な取り組みとなりました。

Elephant_4.png
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