top of page
GUARDIANS ユーラシア東西の守護獣たち

Individual WORK

2023 Spring

 

design

 

Illustration, Editorial design, Booking, Writing: Okamoto Reiko

Printed: Print+Plant, Hand Sow Press, Niwa Shigyou, HANDo 

古代に聖地や墓地を守護する目的に創造された空想上の合成獣を「守護獣」と定義し、守護獣をテーマにユーラシア東西に見られるイメージの共通性を考察したZINE。

 

エジプトのスフィンクスから古代中国の墳墓の守護獣「鎮墓獣」まで、主にシルクロードを通じて西から東に広まり、各地の文化や信仰と融合した守護獣のイメージの背景にある人の願望に興味があり、さまざまな文献から自分の意見をまとめ、地中海〜メソポタミアの守護獣および古代中国の守護獣をいくつかピックアップし、その成立の由来と意味をイラストと文章で紹介しました。

 

紹介した守護獣は現在ではもう信仰されておらず過去のものであること、また古代にユーラシアを横断する長大な交易の道があったという雄大さを造本で表現するため、複数の印刷を使い分けて造本を設計しました。

 

・表紙は特殊活版を用い、ヨーロッパのグレイブストーンから着想を得たデザインを印刷。スイス装で想定することでページ以上の本に厚みを出し、本自体が墓碑のような雰囲気が出るように設計しました。

・メインコンテンツの一つである守護獣のイラストは黒い紙に銀インクで印刷。滅んだ守護獣を静謐かつ厳かになるよう表現しました。

・もう一つのメインコンテンツである各守護獣の解説では、部分的にリソグラフの金インクを使用。これは守護獣が権力と強く結びついていたことを表現するためです。特に守護獣の発生は文明が発達した地域で起こり、文明は大河川流域で発生したため、掲載した地図において、重要な川を金で印刷しました。

 

​以上の造本効果はしっかり出ていると感じています。特に表紙のインパクトが強く、ブックフェア等では表紙を見て手に取る来場者の方が多く見受けられました。

bottom of page